喪服はなぜブラックを着るのか?

父親を見送るという人生の一大イベントもひと段落しました。

仏式では初七日、二七日、三七日・・・四十九日と七日刻みで法要が行われるのに対して神道(神式)は十日祭、二十日祭、三十日祭・・・五十日祭と十日刻みで祭事が行われるんです。間を省略して切り上げで行うのは大体同じようですね。父が亡くなってちょうど三十日目の昨日、三十日祭に併せて五十日祭(仏式でいう四十九日法要)を無事終えました。聞きなれないでしょ、三十日祭って。

ついでに言うと忌明けの香典返しの呼び方も仏式では「満中陰志」や「志」と書くのに対し神道では「偲び草」て書きます。

こんにちは、母親の実家は浄土真宗のお寺で、自分はキリスト教系の大学を卒業してますが、神道の家に生まれた沖啓太郎です。ちなみに長女は仏教系の中学に通っています。日本はやっぱり八百万の神々の国ですね〜!って話はどーでもよかったですね。

って前置き長ーーーーーーっ!

さてさて今年は喪服を着る機会が多かったので服屋さん的に改めて喪服、ブラックフォーマルについて考えてみました。

そもそもなぜ喪服は黒なのか?

よほどの緊急時以外はお葬式に行く時は当たり前のように黒の礼服を着ますよね?

あれ、なんで喪服は黒って決まってるんやろう?ってふと気になってしまったんです。それでここはいつも信頼申し上げてるGoogle先生に聞いてみました。

そうしたら意外なことに・・・

・そもそも冠婚葬祭、フォーマルな喪の場に「ブラック」を着るようになったのは明治維新から欧米の影響を受けて明治30年に皇室の葬儀の際に黒に統一されたのがきっかけでまずは皇室の喪服は黒と背式に規定された。

・長い日本の歴史の中では喪服の色は白→黒→白→黒と変わってきてるものの
「喪服は白」が主流だった。

なんてことが分かり、恥ずかしながら服屋にも関わらず「へ〜!」という感じでした。

そういえば時代劇の切腹の場面を見てると死装束は白でしたね。

そもそも喪服は喪に服する遺族だけが着るものだったのが時代とともに参列者も着るようになってきたと言われてます。だからと言って今の時代にお葬式と聞いて普段着で行く勇気はボクにはありませんが(笑)

ブラックフォーマルは普通の服と違うのか?

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実はフォーマルを作るアパレルメーカーさんは、例えば黒をより黒く見えるように織り方や二度染めの技術を高めてます。黒って同じ様に見えますが、お葬式の様にみんな黒の場合、普通のスーツの黒とブラックフォーマルの黒が全然違うのは並んだ時に一目瞭然なんですよ。

 

さてさてボクも売り場でブラックフォーマルに関してよく言われることは、

・フォーマルって着る機会が少ないから普段にも使える今風のデザインないですか?

(イヤ、ふだん着ないでしょ!)

・ブラックフォーマルってワンパターンね!

(イヤイヤ、ドレスコードっちゅうものがあってですね・・・)

ちなみにカッコ内はボクの声で、お客様によって実際に言う場合と言わない場合があります(笑)

カジュアル化するファッションの中で一般の人がドレスコードがどうだとか気にするのは冠婚葬祭くらいになりました。あ、気にもしてない人も多いですね。

ドレスコードってつまり「服装規定」の事。だから会社だったら会社の、パーティーだったらパーティーの、セレモニーだったらそのセレモニーの服装ルールのことなんです。学生さんの制服なんかの校則もドレスコードですね。会社だったらスーツ着用・ジーンズ禁止とかのルールもそうです。

フォーマルのドレスコードもどちらかといえば経験則的な感じでなので今や絶対のものではないと思うんですが、フォーマルの商品で接客する場合は「一応」説明させていただきます。

例えばレディースの正礼服の場合だったらこんな感じです。

・仕事で着るスーツをフォーマル用にしない

・黒に限る、光沢のない素材、肌を露出させない長袖が基本

・レース、刺繍もNG

・パンツ、プリーツもNG

・バッグは光沢のない布製を使う。皮革系はNG・・・

などなど結構うるさいでしょ?でも大丈夫です。

今や正礼服と略礼服の区別も曖昧になってきてるし、そもそもドレスコードが少々守られてなくてももはや誰も何も言わなくなってますから、あとはお客様の自由ということ。

服屋が言うのも何なんですが、服装ももちろん大事ですが結局は出席する側の亡くなった方やそのご家族に対する礼を尽くす気持ちが一番大事だと思うんです。

 

 

 

だから・・・

 

 

 

ほら・・・

 

 

 

 

この方にかかれば短パンも正装になります!

この方にかかれば短パンも正装になります!

 

フォーマルの場は服装も大事ですが、真心を尽くすのが一番大事!

そういうことです。ではまた。


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沖 啓太郎

1966年大阪市生まれ。 大阪市住之江区の加賀屋商店街にあるクレアトールオキの三代目。 アパレルメーカーと小売業と商店街の経験と情報を駆使しながらファッションを通じて心豊かなライフスタイルを提案できる店づくり心がけています。

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