肩書きが変わりました

アパレル業界はニッパチは暇っていうのが昔からの定説です。あ、ニッパチって2月、8月の店頭の閑散期の事です。冬物や夏物のセールがひと段落し次の新しいシーズンがしっかり立ちあがるまでの比較的ゆっくりな時期です。最近は温暖化や季節感のズレもあってニッパチどころか気候頼みで商売してるとサンキュー(3,9月)も比較的ヒマだというもっぱらの噂です!

って、ホントの事言ってしまった。

こんにちは、クレアトールオキ三代目の沖啓太郎です。

要するに、「春モノが揃いました」とか「秋の新作コレクションです」といった季節のお知らせ的なDM(ダイレクトメール)ではお客様は動かないって事です。だってファッションだけでなくだいたいのモノは行きわたってますからね。冬が終わって春が来たけど「今着るものがない!」って人はいないからです。

まあ、ファッションのトレンド的に「着るものがない!」って言ってもらえるからこそ服屋が成り立つって言うのもありますが、ただのモノとしては着るものがない人はほとんどいないっていう事です。

さて、2月はウチの会社の決算月なんです。

さすがにブログで数字を発表するようなことはできませんが、無事に今期を終える事が出来そうです。実はウチの会社今期で45期でした、つまり45歳の会社です。

よく言われる企業の寿命は30年と言われる中、45年続いている事は有難くもあり純粋にすごい事やと思ってます。ボクの力じゃないですけどね。

いつも三代目のオキケイタロウですって名乗ってます。過去何度か書きましたが、亡くなったばあちゃんから始まって父が受け継いだ商売。そしてこの度ボクへとバトンタッチすることになりました。

 

実はこのたび私、社長になりました!

といっても、零細の家族企業なので社長の肩書きが父親からボクに代わったといっても特段変わる事はありません。なぜなら3年前に父が病気で倒れてから、自分的には何一つ変わらないからなんです。「やっと」でも「いよいよ」でもなく「流れのまま」という感じです。

せっかくだから今風にCEOとか名乗ってもカッコよかったかもと思います。(ウソです)

何も変わらないと言いながら、けじめでもあるのでホントの三代目宣言です。

「立場が人をつくる」って聞いたことありますが、それがホントかどうかはわからないですがボク自身は家族とスタッフとお客様に立場を作ってもらってる気がします。

幼いころから「長男は商売を継ぐもの」「家長たる者~」という、21世紀の今となっては一般のサラリーマン家庭ではありえない教育を父から叩き込まれて育ちました。当時は別に商売人の家はそれで普通やと思ってました。商売を継承しない選択肢は存在しない!と。

でも、やっぱり成長するごとにそれなりに考えるわけです。

このまま仕事を継いでいいのか?

自分にできるのか?

サラリーマン時代も一言もそんな言葉を発してないのに、実家に戻るのは既定路線みたいに思われてるし。自分にとってここまでの紆余曲折や葛藤は山ほどあったし、創業者には創業者の、継承するものは継承する者の思いや考えがあってこればっかりはその立場の人でないと分からないのかもしれません。

親子だから譲れない事とか、

言いたいのに言えない事とか、

今だから分かるのですが、親子で同じ仕事するって想像以上にめんどくさいです(笑)

その辺の事情はまた別の機会に書いてみようかなと思いますが、いずれにしても特にこの1,2年のアパレル業界の激変ぶりは強烈です。過去の常識が全く通用しない分ちょうどいい時期にゼロリセットできました。

それはさておき、ケガのおかげであんまり動けないのをいいことに来月からの新しい期からのプランを色々練ってるんですが、未だノープランなのはナイショです(笑)

ま、あんまり気負わず心のままに素直に面白そうなことから動こうかなって思います。45年かかって積み上がった形の中には自分の手に負えないもの、かなわない事がたくさんあって結構プレッシャーだったりしますが、それ以上にスタッフやお客様や地域との関係性や信頼、アパレルメーカーさんとの繋がり、同業者さんとの繋がりとか、一からではとても作れないものがすでにたくさんあるんです。

このすでに「あるもの」を忘れての自分らしさなんか有り得ないし、まずは一旦全部感謝して受け止めて、その上で自分らしく自由に動かせてもらおうと思ってます。

と、なんだか決意表明的なブログで恐縮ですがそういう事です。

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今後ともよろしくお願いいたします。

ではまた。

 


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沖 啓太郎

1966年大阪市生まれ。 大阪市住之江区の加賀屋商店街にあるクレアトールオキの三代目。 アパレルメーカーと小売業と商店街の経験と情報を駆使しながらファッションを通じて心豊かなライフスタイルを提案できる店づくり心がけています。