現金問屋さんの事実
定休日の今日、とある用事で大阪の船場にある問屋さん街へ出かけました。
住之江区のクレアトールオキ三代目オキケイタロウです。
あ、ボクが奥様の町会と子供会の買出しに運転手として使われてるっていう話はどーでもよかったですね。
大阪の本町、船場と言えば歴史ある問屋街。繊維関係が有名ですが、宝石や薬の問屋さん、大手商社もあり昔は大阪近辺の色々な小売業者の仕入先だったんですよ。
それが今や、一般の消費者であろう人と海外インバウンド(特にアジア圏)のお客様で溢れんばかりのにぎわいです。
心斎橋筋の商店街が観光地化が進み中国語、韓国語が飛び交うようになってだいぶ経ちますが、船場界隈も同じような雰囲気になってきてるように思いました。
一般の消費者が卸売業であるはずの問屋さんで買い物をするという日本語的におかしな状況になっています。
船場界隈には今もたくさんの現金問屋さんがあります
現金問屋さん、一体誰に卸してるの?
卸売りの現金問屋さんはそもそも本来なら小売業に卸すから「卸売業」、つまりB to Bビジネスの筈なんですけど、今や会員制卸売りと言う名目で会員にさえなってしまえば誰でも買えてしまうスタイルになってしまったようです。(もちろん、今も実店舗がないと取引できないルールをお持ちの所もあります。)
ボクのお店も大昔、洋品店の時代には毎日のように仕入に行ってたと聞きました。最近はこういった現金問屋さんから仕入れする事は無くなりました。
え、なぜかって?
現金問屋で仕入れをするという事は隣の店でも同じ商品が並ぶ可能性があるからですよ。それどころか一般の消費者に門戸を開いた段階で『昨日の友は今日の敵』になったわけです。
久しぶりに現金問屋さんに潜入してみた
現金問屋さんに来るのも久しぶりです。平日の昼間なのでほとんどが女性のお客様、ガンガン購入されてます。こりゃどう見ても一般の消費者と外国人のお客様だな~!仕入れの仕方を見てるとプロのバイヤーらしき人も一応いらっしゃいますが、ほとんどの人はどう見ても一般の消費者の方でした。
アナログであれデジタルであれ、現金問屋であれamazonであれ、今売れてる商品を揃えるというのは基本中の基本。いったん中に入ればそこは一般の普通の店舗となんら変わらない品揃え。いや、それどころか零細小売業ではとてもかなわない品揃えの量です。
生活必需品から美容、コスメティック、下着・靴下からファッション、果ては仏壇まで売っているいわばアナログ版amazonです。無いものは無いって言うくらいの品揃えで価格は一応卸価格になってるので、一般の消費者がこれを目にしたらアホらしくて定価で物を買うことなんか無くなって当然です。あ、もうすでにアパレル業界以外で定価販売ってものはタバコと本以外無いに等しかったですね。
話を戻します、卸売と言いながら実体は会員制ディスカウントショップってこと、値段勝負のビジネスモデルなんですね。でも、そこには買い物の喜びや楽しみみたいなものは全く感じないわけです。生活必需品も近所のスーパーやホームセンターの特売の方が安い場合もあるし、わざわざ、時間とコストをかけて買いに来る理由って何だろうか?と考えるわけです。
ボクがたどり着いた結論は、買い手の一般消費者に「卸売価格で買ってると思わせる」作戦なんじゃないかということです。
スーパーの特売を買いあさってるイメージってなんとなくネガティブですけど、問屋さんだとなんとなくキチンと卸価格で仕入れてるのよ的なイメージを抱かせるのかなと思ってしまいました。
どっちにしても、こんなAmazonと張り合うようなビジネスはそうそう長くは続かないんじゃないかなと思いました。やっぱりボク達の仕事は喜んでもらったり、役に立ったよって言ってもらったり、ちょっとだけ感動してもらったり、お客様とそんな時間を共有できるようにがんばるのみ!そんな事を考えてた定休日でした。
では今日も上機嫌な一日をお過ごしください!
沖 啓太郎
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