専門店のベーシックって終わったの?

3月はアパレル業界の展示会月です。大手から中小まで毎週のように展示会があるのでなかなか完全に一日休みがありませんが、そこは365日営業365日自由時間の精神で乗り切りたいところです。

そんな今日は大阪の本町へ。

【今日の展示会レポート】

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去年の夏にベーシックなインナーから取引を始めた“澄(すみ)”さん。

ナチュラルでゆる~い感覚、肩ひじ張らないやさしい服です。

ナチュラルなテイストと優しい天然素材の2つのブランド

en Summit”と“JOUIR”を展開されてます。

実は展示会にお邪魔するのは今回が初めて。理由は展示会案内のDMが若干分かりづらいのと担当のU崎さんが奥ゆかしくてアプローチの電話をしてこない事です(笑)

ウソです、人のせいにしてはいけませんね。既存先で手一杯で展示会を回り切れなかったボクのせいです。

今日の商談でも「専門店の売り場からベーシック減りましたよね~!」という話から入りました。

昨年ベーシックから始めた理由が、専門店らしいクオリティの高いベーシックインナーが年々減ってきたから。去年も確かそのような記事を書いてました。

 

過去記事より

なぜ卸ブランドは定番系のアイテムが苦手なのか?
最近の品揃えの中で不足してるなと感じるのがベーシックなインナー。

ユニクロはじめ、量販系のブランドの機能性インナーが充実してる中で卸ブランドのベーシックは押されてる感じがします。洋服と下着の中間を狙ったアイテムをリーズナブルな価格設定で大量生産で攻めてきます。

もともと量を作りスケールメリットをあげるのは卸ブランドは不利。
コンパクトな量を作り地道に追加をかけていくスタイルはヒット商品が出れば続きますが、ただ定番と言うだけではなかなか継続は厳しいです、それはお店も同様です。気がつけばいつの間にかベーシックインナーが不足してきていました。

 

去年よりもさらにベーシックインナーを展開するアパレルメーカーさんは明らかに減ってます。(沖調べ)

確かに、服屋が言うのもなんですが量販系ブランドの機能性インナー(ヒートテックとかサラファインとかってやつね)のコストパフォーマンスは秀逸です。

家着、普段着、コンビニ着くらいまでは正直良しだと思います。現実の接客でもそう言ってます。でもちょっとお出かけや、プチ勝負のライバルのいる場面ではインナーはユニクロではちょっとおススメしにくいのです。

あ、別に気にしなければいいんですけどね。

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その点、澄さんのベーシックTシャツ・タンクトップはしっかりMade in Japan。丸首の襟あきの美しさだったり。天幅(首の開きの横幅)、下がり幅(首の開きの上下幅)、丸首のカーブのバランスのキレイさの違いは一目瞭然。

今の時代、素材へのこだわりは当然とはいえ強撚110双糸というコットン100%高級糸を使ってるところに着心地、肌ざわり、洗濯での耐久性へのこだわりを感じます。
夏物は毎日洗濯しますからね、おすすめする時の安心感が違います。

強撚110双糸って、分かりやすく言うと110番手というめっちゃ細い糸を2本ひと組(双糸)にしてさらに強く撚って(撚糸して)着心地と堅牢度(丈夫さ)を良くしてるんです。・・・って全然分かりやすくないですね(笑)スイマセン。

まあ、よければ店頭で実際に違いを比べてみてくださいね、ということでお茶を濁しておきます。

 

で、今回はベーシックじゃ無い方も発注をしました。

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ウチのお店にはない上品なナチュラル感も・・・ただいま検討中です

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綿100%のOLD COTTONというユーズドっぽい加工が新鮮でした

 

今回も社長、担当のUさんに昨今のそんな話題をたくさんして頂きました。社長自らモノづくりされてる会社は現場の話が伝わりやすいので嬉しいです。
アパレルメーカーさんと小売店。昔は売った買ったでお互い成立していたんでしょうが、今はお互いにできる事を協業していかないと残れない時代。お客さまに価値を伝えるためには、会社の規模がどうとかではなく、最終的には価値観の近い作り手と売り手とのコミュニケーションがなおさら大事だなと思った次第です。お客さまに、もっと作り手の想いをお伝えしたいしまだまだ伝えきれてないなと思った一日でした。
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ではまた。


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沖 啓太郎

1966年大阪市生まれ。 大阪市住之江区の加賀屋商店街にあるクレアトールオキの三代目。 アパレルメーカーと小売業と商店街の経験と情報を駆使しながらファッションを通じて心豊かなライフスタイルを提案できる店づくり心がけています。