アパレルメーカーの皆さんへ~現場の感覚です!

アルバイト4年、アパレル10年、小売17年、アパレル業界以外ではたぶん生きていけない大阪市住之江区のクレアトールオキ三代目オキケイタロウです。

あ、ボクが気づけば30年ほど洋服の仕事に関わってきてるな~としみじみしてる話はこの際どーでも良かったですね。

秋冬の展示会にて

先日、秋冬ものとしては多分最後の(だったと思う)展示会に大阪の本町にあるレスピーギさんへ出かけました。

気温は30℃。真夏日なのに秋冬物の発注はいつものこと

気温は30℃。真夏日なのに秋冬物の発注はいつものこと

いつも言ってる事ですが、アパレル卸の半年先に納品される商品の発注は今の時代大きな賭けです。というか当たる方が奇跡的かもしれないですね、でも発注しておかないとシーズンに入ってからでは売り場に商品が入ってこないのである程度(お店によりますが)この時期に発注をかけておくわけです。

このブランドはこの春夏シーズンからの取引なので秋冬物はまだ展開した事が無いので、どんなアイテムがあるのかワクワク半分、疑心暗鬼半分(笑)の発注です。

まあ半分も当たれば上等で、あとは実際のシーズンに入ってから調整です。アパレル業界って毎年結構綱渡りなんですよ!(笑)

だって去年買ったモノ今年はあんまり買わないですよね?去年の実績があまり役に立たないのもアパレル業界の面白い所、だからこそボクらのような零細企業でも何とかやっていけるのかと思います。

ちょっと話はそれますが、女性の洋服の仕事なのに、男が仕事できるの?ってたまに聞かれます。

でも親のブティックを目の前で見てきて、服屋でバイトをし、アパレルで働く事を選んできた自分にとってはこの仕事ができない選択肢の方がないくらい、たぶん天職なんだと思ってます。

 

ファッションとファッションビジネスは違う!

男でもレディースの仕事ができる理由は、ファッションとファッションビジネスは似てるけど全然違うから。

オシャレな人は世の中にごまんといてますが、オシャレな人がファッションビジネスが出来るかといえば決してそうではないです。

A:オシャレだけどビジネスセンスが無い人

B:たいしてオシャレじゃないけどビジネスセンスのある人

店頭に立つスタッフはオシャレな人でないと困りますが、経営者はオシャレの前にビジネスセンスがないとなりたちません。男性オーナーは過去はBだけでも良かったようですがこれからはA+B両方とも、つまりファッションとファッションビジネスの両方のセンスを磨きたいものです。

¥18,800(税抜)で頑張ってるって言われても・・・

ところで、今回だけでなく各アパレルメーカーさんをたくさん回ってちょっと現場と違和感を感じるのが価格の事。

たまたま今回も、営業のH口さんがある商品のところでこう言われたんです。

「参考上代も¥18,800で頑張ってるんです!」

つまり、本来なら¥19,800や¥19,000の参考上代にすべきところを¥18,800に下げて設定して企業努力してるでしょ?って言う意味だと思うんです。

いやいや、売り場と全然感覚違いますよ!

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アパレルメーカーさんの下げ札は、¥○○○+税と言う表示。 服屋さんの店頭は総額表示のところが多い。

 

アパレルメーカーさんの参考上代は税抜表示なんです。そして洋服を扱ってる売り場はボクの知るところではだいたい税込表示のところが多い。洋服は決して安い買い物ではないので総額でいくら払うかはお客さまにとっては重要事項。もちろんそんな些細な?事気にされないリッチなお客さまも一部にはいらっしゃるでしょうが、大阪の下町商店街で商売させてもらってるボクにとっては結構気になるところ。

¥18,800の税込価格は¥20,304

¥19,000の税込価格は¥20,520

¥19,800の税込価格は¥21,384

つまり、2万円出して頂いてさらに追い銭を頂かないといけないんです。

商売人の感覚として、大体2万円の物を買って頂いた時にわずかでもお釣りを出せるのと、わずかでも追い銭を頂かないといけないのでは心理的に天と地ほどの差があると思うんです。

こんなセコイこと思うのはボクだけかもしれないですが(笑)

しかも5桁の買い物をするのに1円単位の総額表示。だいぶ慣れたんですが未だにどうもしっくりこない。

なんだかお客さまにも売場スタッフにも全然優しくないような気がしてるんです。

中途半端な端数金額が出るくらいなら税込¥21,000とか¥22,000の方がよほどしっくりくる、つまりはアパレル業界は内税がいいなと思ってる一人なのです。

 

価格も感覚が大事だと思う

その昔、消費税のない時代なら先ほどの\9,800とか¥19,800とかスッと抵抗なく頭に入って来たと思うんです。

大体1万円なんだけど、4ケタの買い物をした気分になり、1万円札を出してお釣りをもらう。

大体2万円なんだけど、1万円台の買い物をした気分になり、2万円出してお釣りをもらう。

なんだかお互いのコミュニケーションが流れるようにスッと行くんですよね。

ところが今、現金の場合だけですが1万円頂いても、2万円頂いても

「あと、○○円です!」って言わないといけないんです。夢を売る商売なのになんだかとってもスマートじゃないです。

かたや現在レジもコンピュータになり、お客さまの支払いも半分以上クレジットカードになり環境もどんどん変わってきてるんですが、税抜表示、5桁の売価(○万円)での1円単位。

やっぱりどうしても何かひっかかります。

ハイ、しょうもない事気にするセセコマシイ人間だと思われるのを承知でアパレルメーカーの皆さんにご提案です。

 

店頭の税込価格、もうチョット意識してくださーい!

 

本日お伝えしたい事はそんなところです。

セコイお話に最後までお付き合い頂きありがとうございました。

ではまた。


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沖 啓太郎

1966年大阪市生まれ。 大阪市住之江区の加賀屋商店街にあるクレアトールオキの三代目。 アパレルメーカーと小売業と商店街の経験と情報を駆使しながらファッションを通じて心豊かなライフスタイルを提案できる店づくり心がけています。