注文も貰っていない半年先の商品を発注できる秘密と理由

定休日の水曜日、春と言ってもジャケットだけでは肌寒い神戸へスタッフを引き連れて秋物の展示会に出かけました。

ごめんなさい、嘘つきました。ウチの母や40年選手のスタッフの皆様の運転手として同行させていただきました。クレアトール オキ代表取り締まられ役の沖です。

展示会も行くブランドによって人選は様々。ボク一人で行く場合、母+スタッフのバージョン、今回の様に全員で行く場合などなどいろんなパターンで発注します。

今日の展示会はウチの店の中でもオトナなブランドです。素材や縫製は文句のないものが多い反面、価格もそれなりにオトナ価格です。

お客様の事を熟知するベテランスタッフの感性や感覚を借りないと恐ろしくて発注できない世界です(笑)

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少なくとも四半世紀以上のお付き合いのMANINさん。 ニット・カットソーは抜群の安定感!

3月、5月はアパレル卸しブランドが秋冬物の展示会を行う繁忙期。特に3月の展示会は秋の立ち上がりの商品展開が多いので各社、次のシーズンのスタートを占う大事な展示会なわけです。

小売店が展示会で考えること

半年後に入荷する商品を仕入れるというのは、5年後はSFと言われる今の時代かなりリスキーです。

あてのない、誰にも頼まれてもいない商品を発注するわけですからね。

あ、そう言えば一つだけ頼まれてる事はありました。

「私の好きそうな、私に似合いそうなの仕入れておいてね〜!」

お客様からのリクエストはただそれだけ。

たまにピンポイントで、親戚の結婚式用にとか、友達との食事会用にとか目的着をリクエスト頂く事もありますが、それでも半年以上前から言われる事は稀なので基本ノープランで臨みます。

欲しいモノがドンピシャ合う時もあれば、ブランドのマイナーチェンジ・フルモデルチェンジでお店に全く合わなくなる事もあります。

だから数字の計画はあんまり役に立たない業界です。きちんと計画仕入れされてるお店もあるでのでしょうが、ウチはできてません!(笑)

だって洋服の場合、去年買った同じモノを今年も来年も買う人はあんまりいないですから。(レアなケースはあります!)

それでも、発注できるのはいつも来ていただいてるお客様と、お客様の事を考えてくれてるスタッフがいてくれるからこそ。

その方がどんなテイストや雰囲気やカラーがお好みか?そんな事は基本中の基本で、

どんなアイテムをお持ちで誰とどんなところへお出かけでどんな風に見せたいか?

どこまでファッションで冒険してくれるのか、それとも絶対ブレずに言う事聞かないのか?(笑)

そんな事まで考えながら発注してくれるわけです。そんな人間関係の下敷きがないと、オシャレ・カッコイイだけではとても発注なんてできません。

 

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裾にボア付きのジップカーディガンがかっこよかった!(MANIN)

 

品質がいいのは当たり前

価格が高かろうが安かろうが、その価格以上の品質である事はもはや絶対条件。

高いのにクオリティがついてきてない場合は・・・・・論外です!(笑)

基本は自分の感覚を優先するのですが、商品にシャレっと付いてるこんな糸のブランドタグ(下げ札)もいちいちチェックします。

例えばこれ・・・

CARIAGGIのANTILOPE

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CARIAGGI社はイタリアの高級紡績メーカーで、antilopeはカシミヤと同等といわれる高級ウール素材の名称なのです。

イタリアの高級紡績メーカーであるカリアッジ社のアンティロープと呼ばれる糸はカシミヤと同等と言われるほど高級なウール素材につけられた名前。どこと比べてもヌメリ感のあるしっとりした手触りは抜群に良いです。

あと、ついでに見つけたこんなタグ

SUPER140’s

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お馴染みのウールマークカンパニーが管理する、高級ウールの証、SUPER〇〇’S表示

このSUPRE140’Sは原毛1キログラムを距離140キロメートルの長さの糸を作ることが出来るという意味で、数字が大きくなればなるほど細い糸(繊細な高品質)が出来るという指標です。

(あまり繊細すぎると、それはそれで縫製に耐えられなくなったりという問題もありますが・・・)

素材が良ければいい商品か?という議論は一旦置いといて、いい素材にはやはりそれだけの魅力があります。

自分の手触り・指触り・肌さわりの感覚を優先するので、ブランドタグがついてるから仕入れるという事はないですが、「おっ、いいな!」と思った素材にはついてる事が多いですね。

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風合い・手触りの良いニット、素材は・・・・・確認するの忘れた!(笑)

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最近はニットとカットソーをドッキングさせたモノも人気。 着やすさと扱いやすさを兼ね備えてます

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ロングジレって気軽なのに襟があるだけでジャケット並みにキチンとした雰囲気が出ますね

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BCPの出川さんもいつの間にかベテラン営業マン。店の事を熟知してくれて流ので全幅の信頼を置いてます

今、店が存在してるのは先代とスタッフのおかげ

いつもスタッフと一緒に展示会に来るたび思うのは、休日出勤にも嫌な顔一つせず、経営者以上に真剣に店の事、お客さまの事を考えてくれてるウチのスタッフに支えられてるって事。
多分誰が行ってもうちの場合は同じ発注になるくらい感覚も近いので全幅の信頼を置いてます。そのおかげで今日も3代目の仕事させてもらってる訳です。

今この厳しい時代に店がまだ存在してるのは両親の築いた土台と長年のスタッフの献身的な協力があってこそ。

本当に親とスタッフにはどれだけ感謝してもしきれません!

感謝だけで恩返しはなかなかできませんが、それは追々少しづつ、できる事でお返ししたいと思ってます。

本日お伝えしたい事は以上です。

さあ、明日もがんばろ!

 


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沖 啓太郎

1966年大阪市生まれ。 大阪市住之江区の加賀屋商店街にあるクレアトールオキの三代目。 アパレルメーカーと小売業と商店街の経験と情報を駆使しながらファッションを通じて心豊かなライフスタイルを提案できる店づくり心がけています。