車の売却で体験した「繋がらない経済」の事

実はこう見えて、大学時代は商学部でマーケティングを専攻していた沖啓太郎です。

そして勉強というものは結局社会に出て、それぞれの立場に身を置いてからの方が大事だなと身に染みて思う今日この頃です。
あ、ボクの大学時代の勉強がほとんど無駄になってるって話はうちの母親にはナイショでお願いしますね。

繋がりの経済について日々勉強中です

ところで「繋がりの経済」って言葉を聞いたことありますか?

「繋がりの経済」はエクスペリエンスマーケティング(エクスマ)を主宰される藤村正宏先生が作られた関係性資本主義と言われる新しい時代の経済のあり方を一言で表した言葉のことです。

自分なりに勝手に解釈してるのは、

・情報洪水の中では人は情報を選べなくなっている

・企業の売り込み広告や販促よりも自分の信頼する友人・知人の情報を信頼して消費活動する

・見ず知らずの人からモノは買わなくなる

超簡単ですが自分の頭ではそんな風に記憶し、解釈しています。

難しいことはさておき、自分のしている洋服やファッションの事で自分に関わる人に喜んでもらったり、役に立ったりして仕える事が「仕事」なんだと、改めて仕事っていう漢字を見て思いました。

ビジネスも今のお客様や自分に関係のある人から信頼してもらえるように協調し、またしっかり自分の伝えるべきを発信しないといけないなと日々勉強中でございます。

難しい話はここまでで、先日それとは真逆のまったく「繋がらない経済」を体験したことをちょこっと書いてみます。

比較サイトって「繋がらない経済」じゃないかと思った

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訳あって超近しい人のクルマ売却を代理でする事になりました。それは若くして亡くなったその方のご主人の大切な愛車。思い出のいっぱい詰まったクルマだけになかなか手放せないでいたんです。

縁のある誰かに乗ってもらうという選択肢もあっただろうけど、それなら自分で乗るという選択をして10年。

でも車を維持するのって結構お金かかりますよね〜!

自動車税に任意保険、車検代に都市部なので高い駐車場代。乗らなくても持ってるだけで年間ン十万。もちろん乗ればガソリン代や高速代、オイル交換やタイヤも減れば替えなきゃってことになります。

今回も車検の相談を受けたのだけれど、13年目にして総走行距離38000km。年間3000kmも走っていない。年間維持費を考えればどう考えても勿体無い。形見の車なので、必要だからとか便利だから乗っているわけではない。そこはよく分かるので心苦しいけれど車検ごとに売却をお勧めしてました。

そして今回ついに売却を決断されたのでお手伝いすることになったわけです。

まずはやっぱり車のことはクルマ屋さんに聞けということで、三方に光る星のエンブレムの付いたドイツ製高級車を販売している友人に聞いてみたら、

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ふむふむ、持つべきものは信頼する友人。大学時代からの旧友に的確なアドバイスもらい、大事なクルマなのでここはなるべく高値で買い取ってくれるところ探そうということになりました。

今はネットを開けばいろんな車買取比較サイトと言うものがあります。そこに車種、年式など簡単なデータを入力すれば、そのサイトに登録されている買取業者から連絡が来ます。

それも入力後ものの数秒で携帯が鳴りっぱなしになるという予想通りの展開。
そして予約電話が入り、あっという間に5社の見積もり査定のアポイントが取れました

そのうちのほとんどが「見積もり他社さんと同じ時刻でいいすよ!」って。
その時は「他社さんと一緒じゃやりにくくないのかな?」と思っていたんです。

そして各担当者がそう言っていた理由が後ほどわかりました。

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別会社お構いなくそれぞれ同時に査定の図

それぞれマニュアルがあるんでしょうが、見積りチェックを20分ほどかけて査定します。その後誰ともなく、

「セリにしますか?名刺の裏に金額書いて一発ドン!にしますか?(いわゆる入札)」
って聞かれました。

 

え〜っ、ココでセリするのーーー!?

 

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各社本部や上司と連絡を取りながらセリの図

つまりは車を置いてる駐車場でセリで即決という予想外の展開になったわけです。それぞれ数字をもらって、持ち帰って検討するものとばかり思ってたので面食らいました。そう言えば、「今日即決できますか?」ってしきりに聞いてきてたな。

初めての面白い経験で、売却自体は2時間ほどで決着しました。比較サイトを使えば便利やけどクルマの買い取り業社さんってホント大変だな〜と思いました。

でも、この比較サイトって価格競争だけのシステム。任された仕事なので予想より高値で売却できて良かったと思う反面、なんか不毛な感覚が拭えない。

営業担当マンという人間を介して商売してるのに、その人のチカラや魅力を生かしきれない数字だけの仕事のような気がするわけです。

多分1社1社交渉していたら、こう見えて好き嫌いの激しいボクは担当者に対する印象を優先して決めていたかもしれません。でもみんな比較サイトで戦うことを選ぶから、自ら価格競争の泥沼に足を踏み入れてる気がしてならないんです、不毛です。

価格だけの勝負ならこの仕事も近い将来ロボットがやってきて、赤外線やX線センサーでピピっと内部状態まで査定して5秒くらいで金額を提示する未来が来るんじゃないかって想像してしまいました。

服屋的に置き換えて考えたみたら、似たものを価格競争してる今のアパレル業界とかぶり若干背筋がピュ〜ピュ〜寒くなりました。戦ってはいけない所で争ってはいけないんだと思ったし、そもそも戦うから大変な目に合うわけで(笑)

ますます人間にしかできない人と人の繋がり、頼ってもらえる自分の得意技を磨かねばと思ったことでした。

今日はここまでです、ではまた。


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沖 啓太郎

1966年大阪市生まれ。 大阪市住之江区の加賀屋商店街にあるクレアトールオキの三代目。 アパレルメーカーと小売業と商店街の経験と情報を駆使しながらファッションを通じて心豊かなライフスタイルを提案できる店づくり心がけています。